農地法手続きサポート|売買・貸借・相続・農地転用を行政書士が解説
- ブルーシーン行政書士事務所 矢野 雅哉

- 7月28日
- 読了時間: 5分
更新日:9月15日
農業を営む方、あるいは農地に関連する事業を検討されている方にとって、農地法に関わる手続きは非常に複雑に感じられることが多いのではないでしょうか。農地の売買や貸借、あるいは農業用施設を設置するための手続きなど、様々な場面で行政への申請や届出が必要になります。
このような農地法関連の手続きにおいて、行政書士がどのようにサポートできるのか、解説します。
農地法とは?
農地法は、国内の食料生産の増大を図り、国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的として、農地の利用関係を調整し、農業上の利用を確保するための措置を講じる法律です。農地とは、「耕作の目的に供される土地」をいい、「耕作」とは、土地に労働及び資本を投じ、作物を栽培することです。
この法律に基づき、農地の権利(所有権、賃借権等)を移転・設定する場合や、農地を農地以外の用途に転用する場合には、原則として許可や届出が必要となります。これらの手続きは、地域の農業振興策との調整や効率的かつ安定的な農業経営の継続、具体的かつ実現可能な土地利用計画といった様々な観点から審査が行われるため、それぞれの要件を満たし、適切な書類を準備することが不可欠です。
行政書士がサポートできる手続き
行政書士は、行政機関への提出書類の作成や、その提出手続きの代理を業としています。農地法関連の手続きにおいても、以下のような手続きについてのサポートが可能です。
1.【農地法第3条】農地の権利移動(売買・貸借等)許可申請
農地の所有権移転(売買、贈与、相続等)や、賃借権等の設定を行う場合に必要な手続きです。これらの手続きには、譲受人または被設定人(買う人または借りる人)が適切に農地を利用できる能力があるか、農地所有適格法人等の要件を満たすかといった要件の審査があります。当事務所では、これらの要件を満たすかどうかの確認や必要書類の作成、農業委員会等との調整をサポートします。※農地を売買又は貸借する場合には、『農地中間管理機構が作成する「農用地利用集積等促進計画」による方法(農地中間管理事業の推進に関する法律)』もありますが、こちらについては改めて解説します。
2.【農地法第3条の3】農地の相続(遺産分割及び包括遺贈を含む)等届出
農地の相続(遺産分割及び包括遺贈を含む)等、農業委員会の許可の対象になっていない、または許可が不要な農地の権利を取得した場合に、農業委員会に届出をすることとされています。※届出期限:相続・遺贈があったことを知った日からおおむね10か月以内こちらの届出は、権利取得の効力を発生させるものではありませんが、2024年4月1日から土地の相続登記が義務化されたことから、権利取得後は速やかに相続登記(登記申請は司法書士業務のため、提携司法書士の紹介も可能です。)を行い、農地の場合は(山林も同様に相続届出が必要になります。)農業委員会に届出を行う必要があります。当事務所では、こちらの届出書類の作成や農業委員会への提出代行も行っております。
3.【農地法第4条・第5条】農地転用許可申請
農地を住宅、駐車場、資材置場等、農地以外の用途に利用する場合に必要となる許可申請です。事業計画の内容、土地利用計画、資金計画、周辺農地への影響、申請農地の妥当性等、多岐にわたる許可基準を満たすための要件確認や、添付書類(公図、現況図、)の収集及び作成、農業委員会等との調整をサポートします。転用許可後の工事進捗状況及び完了報告、事業計画の変更申請等、許可後の手続きに関するサポートも可能です。
4.その他関連業務
・農地の売買契約書や賃貸借契約書、営農計画書を作成したい
・現況確認(非農地)証明申請をしたい
・農業に関する補助金申請をしたい
・相続した農地の位置を確認したい
等、農地に関する手続きについて、お気軽にお問い合わせください。
行政書士に依頼するメリット
農地法の手続きは、法令や要件の解釈が難しい場合があり、様々な添付書類の準備や、農業委員会等による現地調査や審査等を経る必要があり、時間と手間がかかります。行政書士に依頼することで、これらの複雑な手続きをスムーズに進めることができます。
正確な書類作成: 専門家として、申請内容に応じた適切な書類を漏れなく正確に作成します。
手続きの迅速化: 農業委員会等関係各所とのやり取りを代行し、手続きの流れや各農業委員会のスケジュール等を把握しながら進めることができるため、時間と手間を省くことができます。
専門的なアドバイス: 事前に要件を満たしているかの確認や、許可基準や法令の解釈について、専門的な観点からのアドバイスを受けることができます。
農地に関するお悩みや、手続きの必要が生じた際には、農地法関連手続きに詳しい行政書士に相談してみることをお勧めします。
最後に
私の出身地でもある、福島県双葉郡浪江町を中心とした双葉郡の町村では、東日本大震災震災・原発事故後に帰還された方、避難先から通われている方や移住された方の農地の管理や活用方法や、先祖代々の農地を相続をしたがどうすればいいかわからない等、避難指示解除の状況や、農地所有者の方それぞれのご事情を含め、様々な課題があるかと思われます。
震災・原発事故後の農地に関する取り扱いや、それぞれの自治体の営農再開についての取り組み等についても日々情報を収集し、地元の皆様に寄り添いながら、各町村の農業委員会とも協議・調整し、最適な手続きのサポートをさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
もちろん、福島県内外の市町村からのご相談もお待ちしております。

