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担当者がいない会社の生成AIルール|いわき市・双葉郡の事業者が最初に決めること

  • 執筆者の写真: ブルーシーン行政書士事務所 矢野 雅哉
    ブルーシーン行政書士事務所 矢野 雅哉
  • 12 分前
  • 読了時間: 5分

「生成AIの社内ルールを決めましょう」と言うと、こんな反応が返ってくることがあります。

「うちみたいな小さい会社には、まだ関係ないよ」

しかし実際には、規模が小さい会社ほど、生成AIは「誰も管理していない状態」で入ってきます。大企業のように情報システム部門が旗を振って導入するのではなく、社員が個人のスマートフォンやブラウザで、静かに使い始めるからです。

ブルーシーン行政書士事務所では、福島県いわき市/双葉郡を中心に、農地法関連手続きなどの許認可業務とあわせて、事業者の生成AI活用の法務サポートを行っています。今回は、地方の小さな会社ならではの事情に絞ってお話しします。

生成AIの一般的なリスクと、最初に決めるべき3つのルールについては、下記noteの記事で詳しく書いています。あわせてお読みください。


小さな会社ほど「ノールール」になりやすい、3つの理由


理由1. 情報システムの担当者がいない

従業員が数名から数十名の会社では、情報管理を専門に見る担当者がいないことが珍しくありません。パソコンやソフトの管理は「詳しい人が兼任」という形が一般的です。

すると、新しいツールが社内に入ってきたとき、それを止める人も、ルールを決める人もいない状態になります。悪意があるわけではなく、単に役割が誰にも割り当てられていないだけです。


理由2. 社長と社員の距離が近く、かえって言い出しにくい

小さな会社の強みは風通しのよさですが、これがAIの話では逆に働くことがあります。

長年一緒にやってきた社員が、業務を効率化しようと工夫してAIを使っている。それを「やめなさい」とは言いづらい。かといって、そのままでよいとも思えない。

この居心地の悪さの正体は、注意すべきかどうかを判断する基準が、社内にないことです。ルールがあれば、それは個人への注意ではなく、ルールの確認になります。人を叱る話が、仕組みの話に変わります。


理由3. 「みんな使っているらしい」で入ってくる

同業者の集まりや取引先との雑談で「AIで見積書を作っている」「議事録が一瞬でできる」といった話を耳にする機会が増えました。

効果の話は伝わりやすい一方、「何を入力してはいけないか」という話は、あまり共有されません。結果として、便利さだけが先に広まっていきます。



地域の事業者がとくに気をつけたい、3つの場面


ここからは、当事務所が普段扱っている許認可・補助金の実務に近い話です。地方の事業者にとって、リスクが具体的に現れやすい場面を挙げます。


場面1. 補助金の申請書・事業計画書をAIで作る

これは近年、急速に増えている使い方です。文章を整える用途としては有効ですが、注意点が3つあります。


1つめは、事実と異なる内容が混ざることです。 生成AIは、もっともらしい数字や実績を補って書くことがあります。事業計画に実態と異なる記述が入ったまま提出すれば、後々の実績報告と食い違い、大きな問題になりかねません。


2つめは、内容が典型的になりすぎることです。 AIは学習した一般的な型に沿って書くため、他社の計画と似通った文章になりやすい傾向があります。独自性が評価される補助金では、これは不利に働き得ます。


3つめは、公募要領との突き合わせです。 要件や様式は公募回ごとに変わります。AIの回答が古い情報に基づいている可能性は常にあり、最終的な確認は必ず一次情報である公募要領で行う必要があります。

いずれも「AIを使うな」という話ではありません。下書きはAI、事実確認と応募要件の突き合わせは人間、という役割分担を決めておくことが重要です。


場面2. 許認可の申請書類をAIに整えさせる

例えば、農地転用をはじめとする許認可の書類には、申請人の氏名や住所、土地の所在地番、所有者の情報など、そのまま個人情報にあたるものが数多く含まれます。

「文章を整えてほしい」という軽い気持ちでこれらを入力すると、他人の個人情報を外部のサービスに送信したことになります。ご本人の同意なく行えば、思わぬトラブルの原因になり得ます。

対策はシンプルです。固有名詞と所在地は、伏せ字か仮名に置き換えてから入力する。 これを決めておくだけでも、判断に迷う場面はかなり減ります。


場面3. 自治体・大手企業との取引で、情報管理体制を尋ねられる

公共の工事や委託業務、復興関連の事業では、発注者から情報管理体制について確認を受ける場面が想定されます。取引先が大手企業の場合も同様です。

そのとき、「生成AIの利用について、社内でどう定めていますか」という問いが含まれる可能性は、今後高まっていくと考えられます。

ここで**「文書で定めており、社員にも周知しています」と答えられること**は、単なる守りではありません。地域で継続的に受注していくうえでの、信用そのものになります。



まず、ひとつだけ決めてみる


いきなり立派な規程を作る必要はありません。最初の一歩としておすすめするのは、「入力してはいけない情報」を1行だけ決めて、全員に伝えることです。

たとえば、こう書き出すだけでも構いません。

お客様の氏名・住所・電話番号、土地の地番、取引金額は、AIに入力しない。 必要なときは「A様」「〇〇地区」のように置き換えて使う。

この1行があるだけで、社員は迷わなくなります。そして何より、何かあったときに「決めていなかった」ではなく「決めていた」と言える状態になります。

そのうえで、余力ができたら、使ってよいツールの範囲、確認が必要な業務、社外に出す前のチェック担当へと広げていけば十分です。



実際に毎日AIを使っている事業者のひとりとして


私は、生成AIを「解説する」立場ではなく、「毎日使用している」立場で、生成AIで自身の業務を組み立て直しているからこそ、「実務でどこにリスクがあるか」「どんなルールなら現場で守れるか」といった目線でお伝えしていきます。

当事務所では、各種事業者向けに「社内生成AI利用ガイドライン策定サポート」を行っています。

  1. ヒアリング(業種・利用実態・扱う情報の棚卸し)

  2. 貴社に合わせた利用ガイドラインの作成

  3. 社員周知用の資料の作成


いわき市・双葉郡を中心に、対面でのご相談にも伺います。「うちの場合はどう取り入れたらいいのか、まず話だけ聞いてみたい」という段階でもお気軽にご相談ください。


※本記事は一般的な情報提供であり、個別の事案については状況に応じた検討が必要です。労務上の問題や紛争など専門外の分野については、専門の資格者へおつなぎいたします。




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